今回は接客業における効果的なトレーニング方法を3つご紹介いたします。これは私が今まで200名以上のトレーニングを担当し、様々なテクニックがある中で特に人にレクチャーするときや部下の育成をするときなどに効果があったものです。この3つに関する内容を読むだけでも人への接し方に変化が起き、「面倒見の良い先輩」や「わかりやすくて楽しいトレーナー」 などと思われるようになり、人望がつき、仕事が回ってきたり、人の管理が上手になります。普段から人から好かれない人や、陰口を言われてしまう人はこれを少しずつ実践して今より良い人間関係を作っていきましょう。
効果的な接客業におけるトレーニング方法3選
①ハッスル&スマイル

ハッスル&スマイルは読んで字のごとく元気で明るい雰囲気で笑顔を忘れずに接しましょうということです。効果としては、明るい雰囲気により話がしやすい空気が作れ、相手から質問が来てコミュニケーションの機会が増えます。また、笑顔のおかげで接客業における重要項目でもある表情についての指導がしやすくなります。
たとえば、あなたが入社したばかりのスタッフとしましょう。緊張している研修初日に、無表情で簡素な自己紹介をするトレーナーと笑顔で表情豊かに自己紹介してくれるトレーナーがいたとしたら断然後者のトレーナーが好かれ、今後も良いトレーニングが継続でき、結果生産性が高く、費用対効果も優れている人材育成ができるというわけです。
② ゴールオブワーク

ゴールオブワークとは働く上での目的や目標(ゴール)をあらかじめ伝えることで当事者意識を与えたり作業における生産性の低下を防ぐ効果などがあります。さらにモチベーションアップも見込めるのでスタッフの掌握をしたい場合にも有効です。
有名な三匹の子ぶたのお話を少しオマージュした話があるのですが、三匹の子ぶたはそれぞれ何かを建設しているようです。一匹目の子ぶたさんに「何をしてるの?」と尋ねると「レンガをここに積み重ねてと言われたから積み重ねてる」と答えました。二匹目の子ぶたさんにも同様に尋ねると「レンガを積み重ねて建物を作ってるんだよ」とのこと。最後に三匹目の子ぶたさんに聞くと「この地域にはみんなが集まれる教会がなくて困ってる子が多いからここに教会を建てるためにレンガを積んでるんだよ」と。ここから学ぶことは、同じ作業でも目的がバラバラということは往々にしてあるということ。そしてそれは集団や組織においてはバラバラということは致命的である。そこが統一されていれば目的達成のための推進力と変わり1+1が2ではなくなるのです。
③ポジショニング

ポジショニングとは立ち位置のことである。接客業においては表情や言葉遣いはもちろんだが動作や所作も追求していくことがある。そこで指導やレクチャー、何かを教えるという場面において動作や所作が見えないことは、指導を受けている者に伝わらない部分が発生してしまう。何かを教えるときは相手からどう見えているか、動作や所作のポイントは見えているかを意識して見せることが重要であるということである。このポジショニングを意識することによって短い時間で成長に繋がる指導ができるようになります。
接客業におけるトレーニングの注意点

注意点は「指導が一方通行になっていないか」ということである。代表的なものをご紹介しますので該当する人は今すぐに改善して生産性を上げましょう。
「わかった?」「できる?」と聞いて口頭で確認している
理解したか、1人でできるかは口頭ではなく実際に任せてみてそれを見てあげることで目視確認しましょう。あなたを信頼していない相手は理解していなくても「わかりました。」「大丈夫です。」と言うものです。
相手の表情を確認しているか
表情を見ることです。不安そうな表情、困った顔、首をかしげるなどの所作は理解度が低いことの裏返しなのです。このような場合は言い方を変えたり、わかりやすい例え話などを交えて相手に納得してもらえるようなアプローチ方法に切り替えましょう。
1つ誉め1つアドバイスしているか
人を育てたい、人の生産性を上げたいのならまずは誉めることである。本質の部分を無視して指導しても相手との心の距離は離れていく一方です。そこで、相手が実施してくれたことに対して1つ誉めます。誉めることによって相手の承認欲求を埋めてあげます。そこで1つアドバイスをするわけです。すると相手はついさっき誉めて自分を認めてくれた人からアドバイスがあったのでそれに答えようとします。結果、心の距離が適正になり相互間の意思伝達が可能となり相手が育つわけです。
効果的に実施するコツは4ステップ

効果的なトレーニングを実施するにはコツがいります。例えば「時間通り始まらない」「話があっちこっちに行って聞きづらくてつまらない」といった経験はないだろうか?その原因は主に教える側の準備不足が大半である。効果的なトレーニングをするためには【準備】【説明】【実行】【フォロー】を順番通り行うことがコツだからである。
準備
準備8割と言っても過言ではないだろう。何かを教えるのであれば、何を教えるかという目的を明確にすること、何分で教えられるかという期日(時間)管理、教えるために必要なツールはあるのかという物の確認、そしてどのように教えるのかという当日の流れなどを想定、準備しておかないとどこかでつまずき、効果的なトレーニングではなくなるからである。馴れるまではチェックリストなどを使うとよいでしょう。
- トレーニング目的は?
- トレーニング内容は?
- トレーニング時間は?
- トレーニング場所は?
- トレーニング資料は?
- トレーニング人数は?
- トレーニングする場所の居心地は?
- トレーニングの雰囲気演出は?厳しく?優しく?
上記を中心に自問自答しそこで出てきた問題を潰し準備しておくとトレーニング上手になれます!
説明
説明では、相手の抱えている不安を取り除くために行います。このトレーニングは◯◯の理由で実施します。これができるようになると◯◯になります。所要時間は◯分ぐらいで、あなたが前向きに取り組んでくれれば早く終わりますので一緒に頑張りましょう!ここまでで何か質問はありますか?といった大まかな流れですかね。もちろん場面に応じて言葉遣いは変えてオッケーです!
実行
次は実行です。実際に相手に練習、特訓してもらいます。何事もそうですがスキルの習得は意識した反復練習が効果的ですので、いかに意識的に反復練習させるかが肝となるのです。しかし、この反復練習は自ら進んでやるときはいいのですが、人からやれと言われてやる反復ほど辛いものはないでしょう。ですから誉めるのです。1度実行してくれたら誉めます。「ありがとうございます!いいですね~特に表情!次は猫背にならないように意識してやってみましょうか」このような会話をナチュラルにすることによってトレーニングにて効果的な反復練習が可能となるのです。
フォロー
フォローは少し前述にありましたが、誉めることです。そして1つアドバイスを添えてもう1度実行してもらいます。この繰り返しです出来るまで。準備→説明→実行→フォロー実行フォロー実行フォロー…
人を育てる上で大事なこと

大事なことは人の心です。相手は機械ではないはずです。相手の心を把握し、コントロールしてあげることが人材育成の環境としてのWin-Winなのですから。
人を育てる環境は年々変化しています。2019年後半からは働き方改革などと個人の働き方や個人の選択が増えてきました。そんな世の中において一方通行の人材育成は流行りませんし、入社したとしてもすぐ離職するでしょう。
まとめ
接客業における効果的なトレーニング方法を3つ【ハッスル&スマイル】【ゴールオブワーク】【ポジショニング】をご紹介しました。注意点とコツも含めて実践することによって人との付き合いや関係性が円滑になり今よりも彩りある充実した人生の時間を過ごせるようになります。みなさまも意識してレッツチャレンジ!
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